アレルギー性肺疾患とは?

アレルギー性肺疾患は、特定の物質を吸い込むことで肺にアレルギー反応が起こり炎症が生じる病気の総称です。
咳や息切れ、発熱などの症状が現れ、原因物質(アレルゲン)に繰り返し曝露されることで慢性化し、徐々に肺機能が低下していきます。
原因物質を特定し、避けることが治療の基本です。
原因不明の咳や息切れが続く方は、呼吸器内科専門医が診療する当院へご相談ください。
詳しい問診と検査で原因を探り、適切な治療をご提案します。
アレルギー性肺疾患の主な症状
急性型の症状
- 咳が出る
- 息切れ、呼吸困難
- 発熱
- 全身の倦怠感
※原因物質に触れた数十分〜数時間後に症状が出るのが特徴です。
慢性型の症状
- 乾いた咳が続く
- 徐々に息切れがひどくなる
- 体重減少
- 疲れやすい
症状の経過に注意
急性型は原因物質から離れると改善することが多いですが、
慢性型は気づかないうちに進行し、肺が線維化(硬くなる)して呼吸機能に影響を及ぼします。
アレルギー性肺疾患の原因
気管支喘息
ダニ、ハウスダスト、花粉、ペットの毛、カビなどのアレルゲンが引き金となり気道に炎症が起こります。
特に小児喘息ではアレルギーが関与することが多いです。
好酸球性肺炎
白血球の一種である好酸球が原因で起こる特殊な肺炎です。
カビや薬物の吸入が引き金となることもありますが、原因不明のことも多く、
ステロイド薬による治療が基本となります。
過敏性肺炎
カビや化学物質を繰り返し吸い込むことで起こるアレルギー性の肺疾患です。
特にトリコスポロンというカビが原因で、夏から秋に発症しやすい傾向があります。
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)
主に気管支喘息の方がアスペルギルスというカビに反応して発症します。
咳や痰、喘鳴(ゼーゼー音)に加え、肺の破壊が進むと血痰や呼吸困難が出ることもあります。
通常の喘息治療に抗真菌薬やステロイド薬を併用します。
アレルギー性肺疾患の検査
胸部レントゲン・CT検査

肺の炎症や線維化の程度を確認します。特にCTでは特徴的な所見が見られる場合があります。
当院では低被曝CTとデジタルレントゲンを完備しており、体に優しい検査で精密な診断が可能です。
血液検査(アレルギー検査)
好酸球数、IgE抗体、特異的抗体などを測定し、アレルギー反応の有無を確認します。
原因物質に対する抗体が検出されることもあります。
呼吸機能検査
肺の機能低下の程度を評価します。慢性化すると拘束性換気障害が見られる場合があります。
(肺が硬くなり膨らみにくくなる状態)
詳しい問診
生活環境、住居の状況、ペットの有無、職業、趣味などを詳しく伺い、原因物質を推定します。
アレルギー性肺疾患の治療
原因物質の回避
ダニ、ハウスダスト、花粉、ペットの毛、カビなどを検査で特定し、日常生活での曝露をできる限り避けるようにします。
ステロイド治療
急性期や症状が強い場合にはステロイド薬を使用し、炎症を速やかに抑えます。
慢性化した場合
肺の線維化が進行している場合は長期的な管理が必要です。定期通院で肺機能を確認し、治療を調整していきます。
治療法においては当院で行っているものと行なっていないものがございます。お一人お一人にあった治療法をご提案しますので、、お気軽にご相談ください。