やけどとは?

やけど(熱傷)は、熱いものに触れたり、熱湯や油がかかったりして皮膚が損傷を受けた状態です。料理中の油はね、アイロン、ストーブ、熱い飲み物をこぼすなど、日常生活の中で起こりやすい怪我の一つとなっています。
軽いやけどであれば自宅での手当てで治ることもありますが、範囲が広い、水ぶくれができている、痛みが強いといった場合は、医療機関での適切な処置が必要です。特に顔や手などのやけどは傷跡が目立ちやすいため、早めの受診をお勧めします。
お仕事帰りにお気軽に
やけどは適切な初期治療が、傷跡を残さないための鍵となります。大阪市中央区・森ノ宮のきむたくクリニック森ノ宮院は、平日も夜19時まで診療しています。お仕事帰りにも気軽に受診していただけますので、やけどでお困りの際はご相談ください。
やけどの原因
熱湯・高温の液体
料理中の油はね、お茶やコーヒーをこぼす、子供がポットや鍋をひっくり返すなど、熱い液体によるやけどは、日常生活で特に多くみられます。
熱い物体に触れる
アイロン、ヘアアイロン、ストーブ、オーブン、排気口、バイクのマフラーなど、熱くなった物に触れることで起こります。
化学物質
洗剤、薬品、強酸・強アルカリなどの化学物質が、皮膚に付着することでもやけどを起こします(化学熱傷)。
低温やけど
湯たんぽ、使い捨てカイロ、電気毛布など、それほど熱くない(40~50℃程度)ものでも、長時間接触することで深いやけどを負うことがあります。気づきにくいため注意が必要です。
日焼け
強い紫外線により皮膚が軽度のやけどを起こした状態です。広範囲に及ぶため、ひどい場合には発熱などの全身症状が出ることもあります。
やけどの深さと症状
Ⅰ度(表皮のみのやけど)
皮膚が赤くなり、ヒリヒリと痛みます。通常、数日から1週間ほどで自然に治り、傷跡もほとんど残りません。
皮膚のより深くまで到達したやけどで、水ぶくれができ、強い痛みを伴います。Ⅱ度でも比較的浅いものは1~2週間程度で治りますが、深いものは3週間かかることが多く、傷跡が残るリスクが高まります。
Ⅲ度(皮膚全層のやけど)
重症のやけどで、皮膚が白くなったり黒く焦げたりします。神経も損傷しているため、かえって痛みを感じないことが多いです。自然治癒は困難で、植皮などの外科的治療が必要になることがあります。緊急治療が必要ですので、救急車を呼んでください。
やけどを放置するリスク
感染症
やけどの傷口から細菌が侵入し、化膿することがあります。赤く腫れる、膿が出る、発熱するといった症状が現れたら、すぐに受診が必要です。
深部への進行
初期は浅いやけどに見えても、時間とともに深くなることがあります。特に低温やけどは見た目より深刻なことが多いため、注意が必要です。
傷跡・ケロイド
適切な処置をしないと、目立つ傷跡や盛り上がったケロイドとして残ることがあります。顔や関節部分は特に注意が必要です。
拘縮
関節部分の深いやけどが治る過程で、皮膚が引きつれて関節の動きが悪くなることがあります。
こんなやけどはすぐに受診を
- 水ぶくれができている
- 範囲が手のひらより広い
- 顔、手、関節部分のやけど
- 低温やけどが疑われる
- 子供や高齢者のやけど
- 化学物質によるやけど
- 痛みが非常に強い
※皮膚が白くなったり、黒く焦げていたりするような重症のやけどの場合には、すぐに救急車を呼んでください。
やけどの応急処置
STEP01
すぐに冷やす
やけどをしたら、すぐに流水で冷やします。痛みが和らぐまで冷やし続けることが大切です。衣服の上からやけどをした場合は、無理に脱がずに衣服の上から水をかけて冷やします。凍傷を起こすリスクがありますので、氷や保冷剤を肌に直接当てるのは避けてください。
STEP02
水ぶくれは破らない
水ぶくれを破ると感染のリスクが高まります。自然に吸収されるまで、そのままにしておきます。
STEP03
清潔なガーゼで覆う
冷やした後は清潔なガーゼや布で軽く覆い、保護します。
やってはいけないこと
- 氷や保冷剤を肌に直接当てる(凍傷の原因になります)
- 味噌、アロエ、油などを塗る、水ぶくれを破る(感染のリスクが高まります)
当院での治療
軟膏治療
やけどの深さに応じて適切な軟膏を処方します。感染予防と傷の治りを早める効果があります。
創傷被覆材
傷口を清潔なドレッシング材(被覆材)で覆うことで、感染症を防ぎつつ傷の治りを早めます。
経過観察
定期的に通院していただき、感染の有無や傷の治り具合を確認します。必要に応じて、傷跡が残らないための治療もご提案いたします。
専門医療機関への紹介
広範囲のやけど、深いやけど、顔の広範囲のやけどなど、専門的な治療が必要と判断した場合は、速やかに専門医療機関をご紹介いたします。
治療法においては当院で行っているものと行なっていないものがございます。ご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。