嘔吐・下痢

嘔吐・下痢

子供の嘔吐・下痢について

嘔吐や下痢は、感染性胃腸炎や食中毒、食物アレルギー、腸重積、虫垂炎など、様々な原因で起こります。自然に軽快することも多いですが、嘔吐や下痢が続くと体から水分と電解質が失われ、脱水症状を起こしやすくなります。特に乳幼児は体の水分量の割合が多く、脱水が急速に進行することがあるため注意が必要です。

大阪市中央区・森ノ宮のきむたくクリニック森ノ宮院では、お子様の嘔吐・下痢の原因を的確に見極め、脱水予防を含めた適切な治療を提供しております。嘔吐や下痢が続く場合には、お気軽に当院へご相談ください。

嘔吐・下痢時によくみられる症状

  • 発熱
  • 腹痛
  • 食欲不振
  • 機嫌が悪い、ぐずる
  • 元気がない、ぐったりしている
  • 便に血が混じる

こんな症状はすぐに受診を

以下のような症状がある場合は、脱水が進んでいるか重大な病気の可能性があります。速やかに受診してください。

  • 水分が全く取れない
  • おしっこが半日以上出ない
  • 泣いても涙が出ない
  • 意識がもうろうとしている、ぐったりしている
  • 激しい腹痛が続く
  • 便に血が大量に混じる
  • 緑色の嘔吐物が出る
  • 生後3か月未満の嘔吐・下痢

嘔吐・下痢の原因となる主な病気

ウイルス性胃腸炎

ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが原因で起こる胃腸炎です。突然の嘔吐で始まり、その後下痢が続きます。冬に流行しやすく、感染力が非常に強いのが特徴です。

細菌性胃腸炎(食中毒)

サルモネラ、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌(O157など)などの細菌が原因です。発熱や血便を伴うことが多く、抗生物質による治療が必要な場合があります。

食物アレルギー

特定の食べ物を食べた後、数分から2時間以内に嘔吐、下痢、蕁麻疹などが現れます。重症の場合はアナフィラキシーショックを起こすこともあります。

腸重積

腸の一部が腸の中に入り込んでしまう病気で、6か月から2歳頃に多くみられます。突然激しく泣く、嘔吐、血便(いちごゼリー状の便)が特徴で、緊急処置が必要です。

虫垂炎

お腹の右下の痛みが特徴ですが、初期には吐き気や嘔吐が主症状なこともあります。痛みが徐々に強くなる場合は要注意です。

乳糖不耐症

腸が乳糖(乳製品に含まれる成分)を分解・吸収できないことで、消化不良を起こす病気です。乳製品摂取後の下痢、お腹の張りなどが主な症状で、生まれつきの体質であるタイプ(先天性)と、胃腸炎後に起こるタイプ(二次性)があります。

嘔吐・下痢が続く時の検査

診察

腹部を触診し、圧痛や腸の動きを確認します。同時に脱水の程度も評価します。

便検査

細菌性の胃腸炎が疑われる場合、便の培養検査を行います。

血液検査

脱水や炎症の程度を確認します。必要に応じて実施いたします。

腹部レントゲン・超音波検査

腸重積や腸閉塞など、外科的な病気が疑われる場合に実施します。

嘔吐・下痢の対応・治療

整腸剤・吐き気止め

必要に応じて腸内環境を整える整腸剤や、吐き気止めの坐薬を処方することがあります。

抗生物質

細菌性胃腸炎で必要と判断した場合に処方します。

点滴治療

水分が全く取れない場合や脱水が進んでいる場合は、点滴による水分補給を行います。

お一人お一人にあった治療法をご提案しますので、お気軽にご相談ください。

ご家庭でのケア

水分補給の工夫

脱水を防ぐため、失われた水分と電解質を補う必要があります。嘔吐が落ち着いたら、経口補水液、麦茶、りんごジュース(薄めたもの)などを少量ずつ与えます。一度に多く飲むと再び吐いてしまうため、スプーンやスポイトで少しずつ与えるのがコツです。

食事の進め方

下痢が続いていても、食欲があれば食事を与えて構いません。おかゆ、うどん、バナナ、りんごのすりおろしなど、消化の良いものから始めましょう。

おむつかぶれのケア

下痢が続くとおしりがかぶれやすくなります。排便後はぬるま湯で洗い、よく乾かしてから新しいおむつをつけましょう。

家族への感染予防

嘔吐物や便の処理後は、石鹸でしっかり手を洗いましょう。嘔吐物はペーパータオルで拭き取り、その部分を消毒します。ウイルスの一部には消毒用アルコールが効きませんので、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)の使用をお勧めします。